
本稿では、n-Screenを活用したクラウド基盤サービスに用いられる代表的なビジネスモデルのパターンを概観し、通信/放送事業者、端末事業者、サービス事業者、OS事業者がそれぞれどの要素に特化してビジネスモデルを構成しているかを分析・整理した。

これまでn-Screenについては技術面とサービス面から多くの議論がなされてきたが、本研究の価値は、これに関連するビジネスモデルを本格的に検討した点にある。本研究では、BM ZEN1)に含まれるツールキットの一つである4by4ビジネスモデル・マトリクスを活用した。その結果、n-Screenを活用したクラウドサービスは、商品面では主にバンドリングと相互補助方式、チャネル面ではチャネル統合とチャネル分化、収益モデル面ではフリーミアムとサブスクリプションを活用していることが分かった。これらは事業者ごとに少しずつ異なる形で特化して活用されており、その違いを生む最大の要因は、各事業者が基盤とする主要収益源と中核能力の差にある。

結論として、n-Screenを活用したクラウドサービスを提供しようとする企業は、まずビジネスモデルを理解し、自社固有の能力を最大化して収益源を強化するとともに、付加収益を創出する方向で基本戦略を定める必要がある。本研究が、すでにn-Screenを事業に活用している企業や、新たにn-Screen事業を始めようとする企業にビジネスモデルの観点から示唆を提供し、それに基づく事業企画に活用されることを期待する。
