
顧客を中心に据えてこそ、ビジネスモデルの差別化も可能になる―
統合的ビジネスモデル構築方法論「Zen」
ビジョンアリーナ代表 チョ・ヨンホ brad.cho@visionarena.co.kr
<著者紹介>
著者は東国大学産業工学科およびフィンランドのアールト大学経営大学院MBAを卒業し、政府関連のICT産業政策諮問委員、漢陽大学兼任教授を歴任した。Oracle Korea、Samil PwCなどを経て、10年以上にわたりeビジネスおよびモバイル分野の新規事業・技術戦略コンサルティングを担当した。2010年には、プラットフォーム戦略とビジネスモデルに関する経営コンサルティング専門会社、株式会社ビジョンアリーナ(visionarena.co.kr)を設立し、現在は代表コンサルタントを務めている。
ZEN方法論
- コンセプト・計画・実行に統合的にアプローチする
- 顧客から始まり、顧客で終わる
- 戦略的視点を立体的に取り込む
- 反復実行を通じて循環学習を取り込む
- 既存のイノベーション方法論を有機的に活用する
- ビジネスモデルの魅力度を診断する
- ビジネスモデルをキューブ化する

なぜBusiness Model ZEN(Zen)なのか?
企業にとって、新たなビジネスモデルが重要なテーマとなっている。なぜ企業はビジネスモデルに関心を寄せるのだろうか。ビジネスを行う目的にかなう具体的な構想が、ビジネスモデルに盛り込まれているからである。その意味でビジネスモデルとは、顧客価値をどのように創出し、届け、その後収益化するかについて、企業のビジネス上の選択(Choice)とその関係を整理したものである。数年前、サービス企画者を専門的に育成する課程で約1年間コーチングを行い、当時はまだなじみが薄かったものの、現在ではある程度知られるようになった方法論を教えた。その際に気づいたことの一つは、ビジネスモデルはコンセプトに従属するという点である。また、近年のリーンスタートアップ(Lean Startup)運動に見られるように、ビジネスモデルの成功は概念ではなく、市場との隔たりを縮めていく実践の問題である。
多様な先行研究と筆者の経験に基づく研究を経て生まれたビジネスモデル構築方法論、Business Model ZEN(Zen)を紹介する。まず、名称について若干説明しておく必要がある。Zenは、東洋的な意味での統一性、調和、ミニマリズムを意味する。これは本方法論が目指す方向性でもある。名称を決める際、一般に知られているTaoとZenのどちらにするか検討したが、日本の禅を意味するZenのほうが、相対的にミニマリズムに近いイメージであることから、この名称を採用した。<以下省略>
